スキップしてメイン コンテンツに移動

it それが見えたら終わり

ホラー映画の「itそれを見たら終わり」の2017年リメイク版を観た。

どうやら「it follows」と勘違いしていた。
※「it follows」も同じくホラー映画。主人公たちに遠くに死神が見え、それが徐々に徐々に近づいてくる。死神がそばに来るとその人は死ぬという映画らしい。低予算で作られた割にアメリカではヒットしたという。まだ見てないからよくわからない。

その話だと思って「itそれを見たら終わり」を観たので、雨の中の排水口で少年がピエロを発見した、冒頭のシーンでおやおやとなった。

大まかなストーリーとしては、呪われた家にピエロが隠れていて、20数年毎に子供を殺しまくり食べていく。主人公の少年の弟から始まり、どんどん周りから知り合いが消えていったり、目撃したりするので、仲間と力を合わせて呪われた家に乗り込んで・・・という感じで話が進んでいく。

基本的にはあまり怖くない。残酷なシーンはあれど、怖いと思えるシーンはない。実際にピエロの格好をした男が子供を誘拐して殺し回った事件がアメリカでは過去にあったらしく、置かれている状況のリアルさがあって怖いのかもしれない。

唯一僕が怖いと思ったシーンは、主人公の仲間のベバリーという女の子が父親に性的虐待をされていることを匂わせるシーン。ここは得も言えぬ怖さがあった。まだ年齢的に家庭から逃げ出せず、どうすることもできない立場を考えると絶望という言葉以外に見つからない。僕としては実際に父親から虐待を受けている子どもたちのことを考えて悲しい気持ちになる。本当のホラーは現実にこういうことがあることだよなと思う。

印象に残ったシーンは、LOVERのシーンだ。
アメリカでは骨折などでギブスをはめると仲間から寄せ書きをされる。
主人公の仲間の一人のエディが骨折して、その骨折が原因で母親から主人公たちとは今後会っていけないと言われる。本人も骨折したのは主人公たちのせいだと思い、一人で行動するようになる。もともと主人公の仲間たちはいじめられっ子の集まりだったので、エディは一緒に遊ぶ友達がいないのだ。だからエディのギブスには誰からも寄せ書きをしてもらっていない。そんな中、ちょっと悪い感じの女の子がエディに「ギブスに何か書いてあげようか」と言われる。エディは女の子に何か書いてもらえるので喜ぶが、ギブスに書いてもらえたのは「LOSER(負け犬)」なのだ。エディはギブスにせっかく書いてもらえたのに、「LOSER」が嫌だからSをVに上書きし、「LOVER(恋人)」に変えようとするころが非常にダサい感じでよかった。
この少年時代の憧れと現実とダサさが入り交じっているのは見事だと思う。

全体として、良い映画だと思う。ただしホラー映画としてはB級だと思う。しかし、青春映画としては良い出来だと思う。少年どうしの絆とその中に少女が入ってきて少しバランスが崩れる感じや「スタンド・バイ・ミー」のような子どもが冒険を通じて成長していく姿、自身の親との対決などの描き方が良かった。
この映画には続編があるようで、大人になった彼らが再度集まって、この映画で逃したピエロに決着をつける話らしい。

今作が良かったのは少年少女の絆や成長が良かったので、大人になった彼らをうまくみせていけるのかは疑問ではある。

コメント

このブログの人気の投稿

小田嶋隆という経験

  影響を受けた作家が三人いる。一人は立花隆、一人は小田嶋隆、最後の一人は村上…春樹である。最後の一人が隆であったなら、三大隆とかまとめやすくて便利だった。  先日小田嶋隆が亡くなった。私が 20 代のときに大きな影響を受けたコラムニストの一人であった。ラジオ番組に出演していると知ってからは毎週、楽しみに聴いていた。以前に比べてラジオを聞かなくなったが小田嶋隆のコーナーだけは聴いていた。多分、一度も欠かさずに聴いたはずである。  小田嶋隆を知ったのは、 24 か 25 のときで、友人からの「小田嶋隆って知ってますか」という言葉だった。友人が教えてくれた日経ビジネスオンラインの連載コラムを読むと他の人の書いた文章と違う、圧倒的な面白さがあった。コラムというものを楽しんで読んだのは初めてだったかもしれない。いや、コラムを知ったと言っても過言ではない。それ以降、金曜日は小田嶋隆の最新コラムを読むのが私の習慣となった。コラムの題材はほとんど時事だった。導入部で使われるのかオチで使われるのかと言った文章の表現的なところから、またあの時事はどの部分に問題があるのか、その問題を小田嶋隆がどういう取り扱いをするのかと言った内容まですべてが気になり貪り読んだ。読めば読むほど、小田嶋隆の文章の虜になっていった。  そう言えば、ラジオを習慣的に聴くようになったきっかけは小田嶋隆だったということを最近思い出した。小田嶋隆のコラムを知って 3 年後、小田嶋隆がラジオに出演していることを知る。ラジオでも時事を小田嶋隆と他の出演者が喋るという語りのコラムだった。文章で読む小田嶋隆と違い、人懐っこい愉快なおじさんの声を聴いていた。ラジオを通して親しみを感じていた。当時、仕事で移動する時間が多く、移動時間に聴いていた。むしろラジオが聴けるように予定を組んでいた。その時間に聴けないときは、 podcast をダウンロードし聴いていた。最初は小田嶋隆のコラムコーナーばかり聴いていたが、次第にその番組の他の曜日も聴くようになり、他の番組まで楽しむようになっていった。 小田嶋隆の訃報はとても残念だが、訃報についてのツイートを眺めていて、気持ちを変えていくことにした。同じ時代に生きていた小田嶋隆に影響を受けることは貴重だったのではないか。年配世代がビートルズやクイーンの来日ライブの経験...

リチャード・ジュエル

 2019年の映画、「リチャード・ジュエル」を観た。クリント・イーストウッド監督。 1996年のアトランタオリンピック期間中に会場近くで実際に起きた爆弾事件。リチャード・ジュエルは警察や法執行官に憧れ、いつの日か採用されようと日々警備の仕事をしている。ある日、野外コンサートの会場で不審なバッグを見つける。同僚はただの忘れ物だと主張し真面目に取り合おうとしないが、生真面目なリチャードはマニュアル通りに不審物を扱うことにした。要請された専門家が調べてみたところ、バッグの中には時限式のパイプ爆弾が入っていた。 結局、爆弾は爆発し2名の死者が出るも、リチャードのお陰で予め多くの観客を避難させることができ、事件後にリチャードは英雄としてマスコミに扱われる。しかし、FBIはリチャードを捜査しており、その情報を地元紙記者に漏らすと、一転してリチャードは爆弾犯としてマスコミに追われるようになる。 当時小学6年生のころのアトランタオリンピックについては、有森裕子さんが女子マラソンで銅メダルを取ったところをよく覚えている。その後、ずっとそのときの映像がテレビで流れていたから忘れていないのかもしれない。 だから、アトランタオリンピックは印象に残っているのだが、その裏でそんなことが起きていたとは全く知らなかった。爆弾事件のことも、冤罪事件が生まれそうになっていたことも知らなかった。 最終的にはFBIはリチャードを捜査対象から外すことになった。数年後、警察官になったリチャードのもとに真犯人が捕まり犯行を供述したという知らせが届くところで映画は終わる。

レ・ブルー

「レ・ブルー」をみた。 サッカー映画をNetflixで3作品見て以来サッカー映画が気になっている。これまで観たサッカー映画はいずれも選手にフォーカスしたドキュメンタリーで、今回の映画はサッカーフランス代表の1996年から2016年までをフォーカスしているドキュメンタリーだ。選手というよりもチーム。 フランスでのサッカーの位置付けは日本におけるものとは違うようだ。映画の冒頭では代表チームは政治利用されているし、観客も代表チームに対して容赦のない物言いをしている。さらにフランスには移民が多く、代表チームの構成も「黒、白、アラブ」と言われているくらい意識されている。 大きなトピックとしては、98年のワールドカップ優勝、01年の911テロ、15年シャルリ・エブド、国民戦線ルペンの登場、アルジェリア問題、ジダンのワールドカップ決勝での頭突き等あった。 ヨーロッパはサッカー文化の歴史が古く、人々の中で大きな位置付けとなっているから、おのずと社会の影響を直接的な形で代表チームが受けている。 日本代表チームも国家を歌わない等の批判を受けたことがあったが、フランス代表でもそれを問題視することがあった。例えば、国民戦線のルペン代表などは国家を歌わないことは国を愛していない旨の発言をしていた。それに対して、選手はフランスの理念は自由・平等・友愛であり、国家を歌わないことも自由であると反対の意見を述べていた。 自身のフランスに対する知識が少なく、充分に理解できなかった箇所が多くあり、その点は残念であった。フランスについて調べて観ると理解が深まると思うので、再度観たいと思う。